前回の配信をAIさんに語ってもらった。

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ウィザードリィ外伝五つの試練【q -nine-】

 

深夜の迷宮は、石の湿度と古い呪文の残響だけで息をしていた。

修復の泉へ戻ったとき、パーティの足元にはまだ、奪われた宝珠の痕跡が薄く光っていた。

 

前回、あれを手に入れた直後に何者かに掠め取られ、必死で泉まで逃げ帰った記憶が、鎧の内側に冷たく残っている。

しまりす卿の率いる一行――侍のアルフリーダ、忍者イーニッド、僧侶ヨーゼフィーネ、魔術師エレオノーラ、ビショップのルーツィンデ――は、泉の縁に膝をつき、魔力をゆっくりと吸い戻した。

「MPは戻った。だが、プロテクションやレビテイトは自分で掛け直さないと駄目だな」

しまりすが短く言い、仲間たちが杖を振り直す。

氷の爆裂を秘めたスタッフを新たに腰へ下げ、小さな盾は捨てた。

毒の川で拾った防具をイーニッドが身に着け、落とした上質な胸当ては誰の体にも合わず、箱へ戻される。

稲妻の剣は後列へ回し、前衛は確実さを優先した。

 

北へ進む道は、以前二度も罠に嵌った記憶がある。今度は慎重に壁を叩き、床の継ぎ目を靴先で探った。

暗い区画に入ると、ミイラがよろめき、ゴブリンが短刀を閃かせ、ネクロマンサーがエナジーボルトを放ってくる。

サンダーを叩き込み、スリープで足を止め、プロテクションの膜が矢を弾く。

味方のように佇むミイラを素通りし、ゴブリンの装備は拾っても着けず、箱の奥へ押し込んだ。

 

やがてドグマの宿という看板の下がった部屋に辿り着く。料金は200。

傷を癒すために泊まり、二週間分の日数を潰してみた。しかしレベルは一ミリも上がらない。

「……ここは、上がらないんだ」

ヨーゼが呟く。試練の地下では、宿に何週間泊まろうと経験は積まれない。

レベルとは、すべてを失うまでの残り時間のようなものらしい。毒の沼は体力を削るだけで、成長とは無縁だった。

 

アンチマジックの床がところどころに敷かれ、呪文が喉の途中で消える。

ウィザードアイを唱えると、九階まで続く昇降機の影が地図の上に浮かび上がった。

以前は届かなかった一階の宿へも、これで戻れる。

 

戦闘が苛烈になるにつれ、サモンエレメンタルで呼び出したヴァンパイアナイトが、前線の盾であり刃になった。

赤い瞳の騎士は肉壁として矢を受け止め、返す刀で敵を薙ぐ。

クイーンクラブの先制、ヒドラの多頭、マッドゴーレム、トログロダイト、ワイルドワイバーン、ロイヤルヴァンパイア、スパルトイ。スリープが泥の巨人を沈め、キュオールで傷を塞ぐ。

デッドリーエアは一度使っただけで壊れたアイテムのせいであっさり尽き、次からは温存することにした。

 

アイテム箱はすぐに溢れた。

ゴブリンの剣、イリルの剣、幸運のクレイモア、冬の者の装備、濡れた長靴は修理してなお強く、

ヌンチャクは「?」の刻印が入ったまま誰かの腰に収まる。

サラマンダーの鎧を複数人に分け、赤のリボンは後列にだけ着けた。

前列に呪われた装具を置くと、能力が削られるらしい。

 

暗い回廊を何度も周回し、一方通行の道で足を止め、三歩目で必ず遭遇する法則を体で覚える。

宝箱のひとつは、爆弾の気配が強すぎて開けなかった。

ようやく中央の部屋へ辿り着いたとき、レベルの消耗で息が上がっていた一行の前に、フードを深く被った人影が現れた。

年齢はわからない。魔法の残像のような輪郭だった。

「よくぞ、ここまで辿り着いた」

声は親しげで、しかし距離があった。

「資格は十分だ。まず故郷へ帰れ。宿で傷を癒せ。完全に回復したなら、再びここへ来い。一階に封じた四つの扉がある。呪われた装具を身に着けて通れ。その先に、並ぶ者のない武具がある」

人影は一年の注記を残すように消え、赤いリボンだけが床に落ちていた。

魔力を借り、通行の許しを得るための特別な紐だ。

それを手に、初めて通れなかった1マスの先へ足を運べた。

 

帰り際、だらしなく地面に座った中年の女がタロットを切っていた。

隠者の逆位置から恋人へ、そして悪魔へ。カードは衝動と裏切りを指す。

女は、暗い民話を語った。

領主が白い雌犬を溺愛していた。

妻は嫉妬し、犬に毒を盛り、焼いた。領主は妻の皮を芋を剥くように剥ぎ、その皮を犬へ移植した。

彼は発狂して死に、妻は雷に打たれて「ニネ」という怪物になり、旅人を襲うようになった。

妬みがニネへ変わるな、と女は言った。

聖水は持っていない。失ったら、また来い。

 

一行は黙って聞き、赤いリボンを確かめ、昇降機で地上へ戻った。

宿のベッドで目を覚ますと、レベルが上がっていた。

ファイアストーム、アストラルゲート、ワールウィンド、サモンエレメンタル。

一部の呪文――デッドリーエアやターンアンデッド――は取りこぼしたが、神秘の袋から深紅の結晶が転がり、緋色の結晶も手に入る。

ヴァンパイアナイトの働きが、いちばんの収穫だった。爆弾の罠を恐れながらも、無事に帰還できた安堵が、朝の光より温かかった。

「次は、呪われた装具を着けて入る」

しまりすがそう言い、赤いリボンを鞄の奥へしまった。

封じた扉の向こうに何があるかは、まだ誰も知らない。

迷宮は、レベルを奪う時間と、呪いでしか開かない報酬を、静かに待っていた。


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